AREA GUIDE

愛知県の安倍晴明ゆかりの地 巡り旅

公開日:

蟹江町とあま市の晴明塚、母・葛の葉を祀る葛ノ葉稲荷社、名古屋の上野天満宮と晴明神社、岡崎の二つの晴明神社、そして若き日の修行の滝へ。火を防ぎ、草を祓い、蝮を封じ、井戸を掘った——土地の困りごとに応えたと伝わる晴明公の足あとを、尾張から三河へたどる巡り旅です。

愛知の晴明公は、京都や福井のように一つの中心を持ちません。同じ名前の社と塚が、尾張と三河に散らばっています。名古屋の晴明神社が一つ、岡崎の晴明神社が二つ、晴明塚が二つ。同名で迷わないよう、このページでは所在地を添えて呼び分けます。

夕焼け空と海を背景にした、知多半島のつぶてヶ浦の鳥居
イメージ知多半島・つぶてヶ浦の鳥居
木立の中の朱色の拝殿と石段
イメージ鳳来山東照宮の拝殿(新城市。晴明公ゆかりの社ではありません)

この旅のあらまし

所要
車なら2日(1日目:尾張・名古屋の5か所、2日目:岡崎の2か所と阿寺の七滝)。電車なら1日+半日(七滝は車かバス)
地点
8か所:晴明塚2(蟹江町・あま市)、葛ノ葉稲荷社、上野天満宮、晴明神社3(名古屋市千種区・岡崎市本町通・岡崎市唐沢町)、阿寺の七滝
駐車場
あるのは上野天満宮(40台)と阿寺の七滝(有料・120台)。ほかの6か所は駐車場なし
回る曜日
阿寺の七滝へバスで行くなら、日曜・祝日・年末年始は運休。上野天満宮の晴明祭は9月23日、例祭は10月第四日曜日。岡崎・本町通の晴明神社は14日15時から月次祭(1月と9月を除く。9月14日は晴明祭例大祭)
移動
車で、尾張から名古屋へ約23分、名古屋から岡崎へ約40分、岡崎から七滝へ約75分(目安)

この旅の歩き方

この旅は、火・草・蝮・水と、土地の暮らしの困りごとに応えたと伝わる晴明公の足あとを、尾張から三河へたどります。1日目は尾張と名古屋の5か所。蟹江町の晴明塚から、あま市の晴明塚、葛ノ葉稲荷社へと北上し、名古屋の上野天満宮と晴明神社で締めます。駐車場があるのは上野天満宮(参拝駐車場40台)だけで、ほかの地点には駐車場がありません。車なら上野天満宮に停めて、晴明神社まで歩く(徒歩10〜15分)のがいちばん楽です。塚と葛ノ葉稲荷社は住宅地の中にあるので、近くの有料駐車場を探し、静かに参拝してください。電車なら、蟹江はJR蟹江駅か近鉄蟹江駅(徒歩15〜20分)、あま市の晴明塚は名鉄津島線の七宝駅(徒歩約20分)、葛ノ葉稲荷社は同じ津島線の木田駅(徒歩約20分)、名古屋の上野天満宮は地下鉄名城線の茶屋ヶ坂駅(徒歩約10分)が起点です。名古屋の晴明神社は、ナゴヤドーム前矢田駅からバンテリンドームの6番ゲートへ出て、そこから徒歩約5分です。岡崎の2社は、名鉄名古屋本線の東岡崎駅から歩けます(本町通の社は徒歩約15分、唐沢町の社は乙川を渡って徒歩約10分)。阿寺の七滝は、駐車場から遊歩道を徒歩約15分の山道で、車かバスで行きます。バス(新城市Sバス)は日曜・祝日・年末年始(12月29日〜1月3日)が運休で、本数も少ないため、時刻表を事前に確かめてください。県道442号は豪雨などで通行止めになることがあり、地図アプリに通行止めと表示されることもあります。出発前に奥三河観光ナビで最新の案内を見てください。駅からの徒歩分数は、公式の記載があるもの以外は地図データからの目安です。車の所要時間も地図データからの目安で、渋滞や季節で変わります。

地図で見る

マーカーを押すと地点ページへ。コースの線は、地点を順に結んだ目安(直線)です。名古屋の2か所(上野天満宮と晴明神社)、岡崎の2か所(本町通と唐沢町)は、それぞれ1km足らずしか離れていないので、地図を拡大すると分かれます。阿寺の七滝は、岡崎から車で約75分、東の山中にあります。

1日目:塚と社をめぐる、尾張・名古屋の一日

1日(約6時間)

一火を防ぐ晴明塚(蟹江町)[9:30/30分]

旅の最初は、蟹江の住宅街に柵で囲われて残る塚。晴明公がこの地を訪れて火伏せの祈祷をし、使ったほら貝や剣が地中に埋められていると、蟹江町教育委員会の案内板は伝える。氏神・日吉神社の社紋が晴明神社と同じ五芒星という縁も、町の資料館が紹介している。木曽三川の河口に近い、水とともに生きてきた町に、火伏せの塚が残る。ここから、土地の困りごとに応えた足あとをたどる。

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  • 「晴明塚」と刻んだ古い石碑
  • 柵で囲われた塚
  • 日吉神社の五芒星の社紋(塚から徒歩数分)
青空と、赤い可動橋の御葭橋
御葭橋(蟹江町)
青空の下の日光川と堤防
日光川(蟹江町)
時間
見学自由(柵の外から)
料金
—
アクセス
JR関西本線「蟹江」駅・近鉄名古屋線「近鉄蟹江」駅から徒歩15〜20分(地図データからの目安)

柵の外から見学。駐車場なし。住宅地なので静かに

詳しい由緒と出典は /places/35/

次へ:蟹江町からあま市へ、車で約12分(約9km。目安)

二草を祓う晴明塚(あま市)[10:30/20分]

蟹江から車で約12分、あま市の住宅地に、一本の大木を戴いた小さな塚が残る。晴明公がこの地を通った折、田の雑草に苦しむ農民のために祈祷した跡と言い伝えられ、所在地の字名は「清明」。前に立つ石碑は、昭和五十九年(1984年)に新居屋土地改良区が建てた。火の次は、田の草。暮らしの困りごとに応えた塚を、土地の人が守り続けている。

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  • 大木を戴いた小さな塚
  • 昭和五十九年建立の石碑
  • 字名「清明」
秋の田園と黄葉した木
イメージ稲沢市祖父江町の田園(遠景は伊吹山。岐阜・滋賀県境)
ピンクのハスの花が咲く田園
イメージ愛西市の森川花はす田(尾張)
時間
見学自由(道路から)
料金
—
アクセス
名鉄津島線「七宝」駅から徒歩約20分

道路から見学。駐車場なし。住宅に囲まれているので敷地には入らない

詳しい由緒と出典は /places/34/

次へ:あま市内を車で約7分(約5km。目安)

三母を呼ぶ葛ノ葉稲荷社[11:20/30分]

あま市篠田の葛ノ葉稲荷社は、晴明公の母と語られる白狐・葛の葉を祀る和泉信太の葛葉稲荷を、「しのだ」という地名の縁で勧請したと伝わる社。境内の歌碑は、葛の葉の歌を土地の名に置き換え、「篠田の森」と刻む。塚を巡ってきた旅の途中で、母の物語が尾張の地名に結びついた姿に出会う。

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  • 「篠田の森」と刻まれた歌碑
  • 拝殿の左右に並ぶ狐の像
時間
参拝自由
料金
—
アクセス
名鉄津島線「木田」駅から南へ徒歩約20分

住宅地の小さな社。駐車場なし

詳しい由緒と出典は /places/30/

次へ:あま市から名古屋市千種区へ、車で約23分(約21km。目安)。上野天満宮に停めて歩く

ひと休み

名古屋へ向かう途中(昼食)(休憩所)

昼食は、あま市から名古屋へ向かう途中で。個店は挙げません

四丘に住む上野天満宮・晴明神社(名古屋市千種区)[13:00/60分]

名古屋市千種区の清明山。上野天満宮の公式の由緒は、晴明公の一族がこの丘に移り住んで道真公を祀ったことを起こりとし、社は当初、清明山にあったと伝える。丘の晴明神社には、晴明公が上野邑に住んで蝮を封じ、のちに村人が神霊を勧請したという伝承が残る。駐車場のある上野天満宮から、徒歩10〜15分で元の鎮座地に近い晴明神社へ。都を離れた陰陽師の一族の伝承を、丘の二つの社で聞く。

上野天満宮

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  • 二つのなで牛
  • 道真公をかたどった天神みくじ
時間
授与所 9:00〜17:00(年中無休)・ご祈祷 9:00〜16:00(予約不要)
料金
—
アクセス
名古屋市営地下鉄名城線「茶屋ヶ坂」駅から南へ800メートル、徒歩約10分

参拝駐車場40台。授与所9:00〜17:00(年中無休)、ご祈祷9:00〜16:00(予約不要)。神事・祭典の日は受けられない場合がある

詳しい由緒と出典は /places/29/

晴明神社(名古屋市千種区)

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  • 五芒星をあしらった社殿
  • 晴明公にあやかった縁結びの絵馬
名古屋の晴明神社の鳥居と境内
晴明神社(名古屋市千種区)の鳥居と境内
五芒星の幕がかかる晴明神社の社殿
晴明神社(名古屋市)の社殿
時間
参拝自由(社務所の開所日時は限られます)
料金
—
アクセス
名古屋市営地下鉄名城線「ナゴヤドーム前矢田」駅下車、バンテリンドーム6番ゲートから徒歩約5分

駐車場なし。上野天満宮から徒歩10〜15分。バンテリンドームナゴヤの試合日は門前が賑わう

詳しい由緒と出典は /places/31/

もう半日:岡崎の二つの晴明神社

半日(約2時間)

五井戸を掘る晴明神社(岡崎市本町通)・晴明神社(岡崎市唐沢町)[10:00/30分]

岡崎へ。晴明公は諸国遊歴の折にこの地に居を構え、神夢によって掘った井戸の霊水で多くの人を救ったと伝わる。本町通の晴明神社は寛政十二年(1800年)、旧居跡と伝わる地に祠が建てられ、唐沢町の晴明神社は弘化三年(1846年)、晴明屋敷と呼ばれた地に祀られた。どちらも五輪石の一部を納めたという。同じ城下に晴明公の社が二つ並ぶ理由が、ここにある。

晴明神社(岡崎市本町通)

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  • 五芒星を掲げた社殿
  • 周辺の商店街「晴明ストリート」
紅葉に囲まれた岡崎城の天守
イメージ秋の岡崎城(岡崎市)
乙川にかかる殿橋と岡崎の街並み
イメージ殿橋と乙川(岡崎市)
時間
参拝自由
料金
—
アクセス
名鉄名古屋本線「東岡崎」駅から徒歩約15分

駐車場なし。御朱印は、社内のポストカードを菅生神社(岡崎市康生町)に持参して授与

詳しい由緒と出典は /places/32/

晴明神社(岡崎市唐沢町)

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  • 幕や提灯の五芒星
  • 手水鉢と伝わる鉢
時間
外から参拝(公民館の中に鎮座)
料金
—
アクセス
名鉄名古屋本線「東岡崎」駅から乙川を渡って徒歩約10分(地図データからの目安)。国道1号「島町」交差点の一本西の道沿い

公民館の中に鎮座。外から参拝。駐車場なし

詳しい由緒と出典は /places/33/

ひと休み

東岡崎駅周辺(昼食)(休憩所)

岡崎の二社を回ったら、昼食は東岡崎駅周辺で。七滝へ向かうなら、ここで済ませておく。個店は挙げません

もう半日:阿寺の七滝(奥三河)

半日(岡崎から往復で約4時間半)

結はじまりの滝阿寺の七滝[13:15/100分]

旅の終点は、伝承でいちばん若い晴明公に会える谷。阿寺の七滝は、愛知県で唯一「日本の滝百選」に選ばれた七段の滝で、若き日の晴明公が、いちばん落差の大きい第四の滝(落差25メートル)で修行したと伝わる。晴明公が東三河の山中を訪ねた記録はなく、伝承の域を出ない。滝の竜神が雨乞いの神として信仰されてきた谷が、修行の地として語り継がれてきた。井戸の水から、滝の水へ。

ここを見る

  • 第四の滝(長霓滝・落差25メートル)
  • 子抱石
  • くいちがい石
新緑の岩場を流れる阿寺の七滝の全景
阿寺の七滝(新緑)
新緑の中の阿寺の七滝
新緑の中の阿寺の七滝
新緑の中の阿寺の七滝の散策路
滝へ向かう散策路
紅葉の中の阿寺の七滝と滝壺
阿寺の七滝(紅葉)
時間
見学自由・無料(駐車場から滝まで徒歩約15分)
料金
—
アクセス
JR飯田線「三河大野」駅から新城市Sバス秋葉七滝線「七滝口」下車、徒歩約15分(日曜・祝日・年末年始は運休)

有料駐車場から遊歩道を徒歩約15分の山道。県道442号は豪雨などで通行止めになることがあり、地図アプリにも通行止めと出ることがある。足元の整った靴で

詳しい由緒と出典は /places/28/

次の旅へ

晴明塚は、静岡県掛川市にも残っています。ほかの地域のガイドは、地域から探すページにまとめています。

参拝の実用情報

地点時間料金アクセス駐車場
晴明塚(蟹江町)見学自由(柵の外から)—JR関西本線「蟹江」駅・近鉄名古屋線「近鉄蟹江」駅から徒歩15〜20分(地図データからの目安)なし
晴明塚(あま市)見学自由(道路から)—名鉄津島線「七宝」駅から徒歩約20分なし
葛ノ葉稲荷社参拝自由—名鉄津島線「木田」駅から南へ徒歩約20分なし(周辺は住宅地)
上野天満宮授与所 9:00〜17:00(年中無休)・ご祈祷 9:00〜16:00(予約不要)—名古屋市営地下鉄名城線「茶屋ヶ坂」駅から南へ800メートル、徒歩約10分参拝駐車場40台
晴明神社(名古屋市千種区)参拝自由(社務所の開所日時は限られます)—名古屋市営地下鉄名城線「ナゴヤドーム前矢田」駅下車、バンテリンドーム6番ゲートから徒歩約5分なし。周辺のコインパーキングを利用
晴明神社(岡崎市本町通)参拝自由—名鉄名古屋本線「東岡崎」駅から徒歩約15分なし
晴明神社(岡崎市唐沢町)外から参拝(公民館の中に鎮座)—名鉄名古屋本線「東岡崎」駅から乙川を渡って徒歩約10分(地図データからの目安)。国道1号「島町」交差点の一本西の道沿いなし
阿寺の七滝見学自由・無料(駐車場から滝まで徒歩約15分)—JR飯田線「三河大野」駅から新城市Sバス秋葉七滝線「七滝口」下車、徒歩約15分(日曜・祝日・年末年始は運休)県道442号沿いに専用駐車場(有料・120台)

時間・料金は変更されることがあります。各地点ページの出典(公式サイト)でご確認ください。

この地域の記録

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クレジット・出典

調査・執筆:星詣編集部(土御門奉賛会)。一次資料と各社寺・自治体の公式資料に基づく。現地確認日:なし。掲載写真のうち「イメージ」と表記したものは、その地点の実際の写真とは限りません。

最終確認:2026-10-05

写真:PIXTA