AREA GUIDE

神奈川県の安倍晴明ゆかりの地 巡り旅

公開日:

北鎌倉駅から歩いて、山ノ内に残る晴明公ゆかりの3か所をめぐります。八雲神社の晴明石、横須賀線の踏切の先の道路脇に立つ「安部清明大神」の碑、建長寺の総門の手前の第六天社。鎌倉幕府の記録『吾妻鏡』が伝える「鎮宅の符」の話と、江戸時代の地誌が記す晴明石の井の水が、この道の糸口です。資料によって書き方が違うところは、並べて読みながら歩きます。半日の旅の最後に、建長寺へ足をのばします。

鎌倉の晴明公は、鎌倉幕府の記録『吾妻鏡』に名が出ます。治承四年(1180年)十月九日条は、源頼朝が当座の御所とした知家事兼道の山内の宅について、正暦年中の建立以来一度も火災に遭わなかったのは、清明朝臣(晴明公)が鎮宅の符を押したためだと記します。晴明公が鎌倉に来た記録はなく、その宅がどこにあったかも明らかではありません。山ノ内では、この話にあやかる石や碑が語り伝えられてきました。江戸時代の地誌『新編相模国風土記稿』は、山ノ内村の往還に「晴明石」が二所あり、石の傍らの井の水は安倍晴明の加持水で、火難を防ぐと言い伝える、と記します。『吾妻鏡』の元仁元年(1224年)十二月二十六日条には、疫病の流行を受けて、陰陽権助の国道の進言で四角四境の鬼気祭が行われ、四境の北が山内だった、とあります。この旅で訪ねるのは、八雲神社、安倍晴明大神の石碑、第六天社の3か所です。晴明石と石碑については、市や観光協会の公式な紹介を確認できていません。資料によって書き方が違うところは、並べて記しています。

黄葉の浄智寺 鐘楼門と石段の参道
浄智寺の鐘楼門と黄葉(北鎌倉)。この旅の地点ではありません
紅葉の円覚寺の境内
紅葉と松に囲まれた円覚寺(北鎌倉)。この旅の地点ではありません

この旅のあらまし

所要
半日(約3時間半。歩きは合計で約50分。参拝・建長寺の拝観・休憩を含む)。順路は、JR北鎌倉駅 → 八雲神社 → 安倍晴明大神の石碑 → 第六天社 → 建長寺 → 北鎌倉駅
地点
3か所:八雲神社(鎌倉市山ノ内585)、安倍晴明大神の石碑(鎌倉市山ノ内。横須賀線の踏切と烏森稲荷社参道の間の道路脇)、第六天社(鎌倉市山ノ内1525)。このほか建長寺へ足をのばす。『吾妻鏡』に記される晴明公の宅の場所は、明らかではない
駐車場
八雲神社・石碑・第六天社は、公式に記載を確認できていない(八雲神社は民間の情報で「なし」)。建長寺は専用駐車場あり(乗用車20台、乗用車600円。建長寺の公式)。この旅は、電車と歩きに向く
回る日
建長寺の拝観は8:30〜16:30(建長寺の公式)。第六天社の令和8年の例大祭は、7月18日と案内されていました(公式サイトの2026-05-25の投稿)。八雲神社の例大祭は7月中旬(鎌倉市の資料)。第六天社の境内は通常非公開で、特定の日以外は管理人も宮司もいません(公式サイト)
移動
JR横須賀線:鎌倉駅・大船駅から北鎌倉駅までは、それぞれ隣の駅です(所要時間と運賃は、JR東日本の時刻表・運賃案内で確認)。歩きの目安(地図):駅から八雲神社へ約8分、八雲神社から石碑へ約17分、石碑から第六天社へ約6分、第六天社から建長寺の総門へ約3分、建長寺から駅へ約15分(建長寺の公式)

この旅の歩き方

この旅は、JR北鎌倉駅から歩いて、山ノ内にある二つの社と一つの碑をめぐり、建長寺へ足をのばす半日の巡り旅です。順路は、北鎌倉駅、八雲神社、安倍晴明大神の石碑、第六天社、建長寺、北鎌倉駅で、歩きは合計で約50分、参拝・拝観・休憩を入れて約3時間半です。歩きの目安は、地図の徒歩ルートで、駅から八雲神社まで約500m・約8分、八雲神社から石碑まで約1.2km・約17分、石碑から第六天社まで約450m・約6分、第六天社から建長寺の総門まで約170m・約3分です(第六天社の公式は「建長寺の門の手前80m」と案内しています)。建長寺から駅へは、建長寺の公式が「徒歩約15分(バスなら5分)」と案内しています。第六天社から駅へは、公式が「徒歩10分」、地図では約900m・約12分です。電車は、JR横須賀線の北鎌倉駅で、鎌倉駅・大船駅から、それぞれ隣の駅です。所要時間と運賃は、JR東日本の時刻表・運賃案内でご確認ください。車の場合、八雲神社・石碑・第六天社の駐車場は、公式に記載を確認できていません。建長寺には専用の駐車場があり、乗用車20台、料金は乗用車600円(最初の1時間分を先払い、以降30分単位。建長寺の公式)です。休憩の店は、第六天社の近くにあります。

地図で見る

マーカーを押すと地点ページへ。コースの線は、地点を順に結んだ目安(直線)です。北鎌倉駅から八雲神社まで約500m、八雲神社から石碑まで約1.2km、石碑から第六天社まで約450m、第六天社から建長寺の総門まで約170mです(地図の徒歩ルートからの目安)。

北鎌倉を歩く:八雲神社の晴明石から、踏切の先の石碑、第六天社をたどって建長寺へ

半日(約3時間半)

一境と井の水八雲神社[9:10/30分]

旅の出発点は、JR北鎌倉駅から歩いて約8分(約500m。地図の目安)、山ノ内の高台に鎮座する八雲神社。円覚寺の管長のブログは、1224年(元仁元年)に北条泰時が疫病に際して四角四境祭を行い、その後、京都の祇園社の神霊を勧請した牛頭天王社と伝える。民間の資料には、文明年間(1469〜1487年)に上杉憲房が京都の八坂神社を勧請したとするものもあり、由緒は資料で分かれる。『吾妻鏡』の元仁元年十二月二十六日条は、疫病の流行を受けた鬼気祭と、四境の北が山内だったことを記すが、八雲神社には触れていない。境内の一段上には、もと十王堂橋の近くの路上に埋まっていた晴明石が移されている(『としよりのはなし』による)。『新編相模国風土記稿』は、山ノ内村の往還に晴明石が二所あり、石の傍らの井の水は安倍晴明の加持水で、火難を防ぐと言い伝える、と記す。いまの石がその一つかどうかは、資料に明記がない。

ここを見る

  • 晴明石(拝殿のある境内から西側の石段を上った一段上。「安部清明神君」の立札)
  • 庚申塔(寛文五年〔1665年〕銘。鎌倉市指定有形民俗文化財)
  • 社に伝わる面と衣裳二十四点(鎌倉市指定有形民俗文化財。鎌倉国宝館寄託)
八雲神社の境内
八雲神社の境内(山ノ内)。晴明石を示す写真ではありません
八雲神社の拝殿
八雲神社の拝殿
時間
参拝の時間は、公式に記載を確認できていません。社務所・御朱印・トイレも、公式の記載を確認できていません
料金
—
アクセス
JR横須賀線「北鎌倉」駅から約500m・徒歩約8分(地図の徒歩ルートの目安。公式の記載なし)。鳥居は駅の改札と線路を挟んだ反対側(大船寄り)の山裾にあり、石段を上る

開閉の時間・社務所・御朱印・トイレは、公式に記載を確認できていません。晴明石のある上段は崖に接しているため、掲示や柵の指示に従ってください。例大祭は7月中旬(鎌倉市の資料)

詳しい由緒と出典は /places/07/

次へ:八雲神社から石碑へ、徒歩約17分(約1.2km。地図の目安)

二鎮宅の符安倍晴明大神の石碑[10:00/15分]

八雲神社から歩いて約17分(約1.2km。地図の目安)。北鎌倉駅から建長寺へ向かう道が横須賀線の踏切を越えた先の道路脇に、「安部清明大神」と刻んだ小さな石碑が立つ。『吾妻鏡』の治承四年(1180年)十月九日条は、源頼朝が当座の御所とした知家事兼道の山内の宅について、正暦年中の建立以来一度も火災に遭わなかったのは、清明朝臣(晴明公)が鎮宅の符を押したためだと記す。晴明公が鎌倉に来た記録はなく、その宅がどこにあったかも書かれていない。山ノ内では、この碑の付近を館の跡と語り伝えてきたという。碑は、氏子が明治年間に建てたと伝わる。市や観光協会の公式な紹介は、見つかっていない。

ここを見る

  • 「安部清明大神」と刻んだ石碑(台石に「氏子中」)
  • 碑の後ろの柵に掛かる木札「陰陽師安倍晴明大神の石碑」
  • 碑の後ろに置かれた平たい石と丸い石
北鎌倉駅の踏切を通る横須賀線の電車
北鎌倉駅の踏切を通る横須賀線。石碑の写真ではありません
山ノ内の明月院通りの道と橋
山ノ内の明月院通り。石碑の写真ではありません
時間
道路脇の石碑。見学の時間は、公的資料に記載を確認できていません
料金
—
アクセス
JR横須賀線「北鎌倉」駅から建長寺方面へ約450m・徒歩約7分(地図の徒歩ルートの目安。公式の記載なし)

道路脇の石碑。見学の時間・駐車場は、公的資料に記載を確認できていません。踏切の近くなので、交通に注意してください

詳しい由緒と出典は /places/05/

次へ:石碑から第六天社へ、徒歩約6分(約450m。地図の目安)

結南の鎮守第六天社[10:20/20分]

石碑から歩いて約6分(約450m。地図の目安)。建長寺の総門の手前にある第六天社は、公式サイトによれば、建長寺が四方に置いた鎮守の南にあたる、上町の氏神である。公式は、東に八幡、北に熊野、西に子神、南に第六天を配したと伝え、四方鎮守のうち所在と来歴がいまもはっきりしているのは第六天だけだとする(建長寺の公式には、この記載は見つかっていない)。鳥居の左後方に立つ「安部清明大神」の碑について、由来を記した資料は確認できていない。八雲神社の晴明石や踏切脇の碑と同じく、『吾妻鏡』が伝える鎮宅の符の話にあやかった火難除けの碑とみられる。公式サイトによれば、境内は通常非公開で、特定の日以外は管理人も宮司もいない。ここから建長寺の総門までは、地図で約170m・徒歩約3分(公式サイトは「建長寺の門の手前80m」と案内)。

ここを見る

  • 鳥居の左後方の「安部清明大神」の碑
  • 建長寺(総門まで約3分):拝観8:30〜16:30、大人500円・小人200円(建長寺の公式)
  • 近くの茶屋かどで休憩
建長寺の総門
建長寺の総門。第六天社は、公式サイトによれば門の手前80mです。第六天社の写真ではありません
建長寺の総門を見上げた様子
建長寺の総門を見上げる。第六天社の写真ではありません
時間
境内は通常非公開。特定の日以外は、管理人も宮司もいません(公式サイト)
料金
—
アクセス
JR横須賀線「北鎌倉」駅から八幡宮方面へ徒歩10分(公式サイト。地図の徒歩ルートでは約900m・約12分)。建長寺の門の手前80m・進行方向右側(公式サイト。地図では、総門まで約170m)

境内は通常非公開(公式サイト)。駐車場・トイレは、公式に記載を確認できていません。建長寺の拝観料・駐車料金は変わることがあります。行事の日は拝観できる場所が限られることがあるので、建長寺の公式のお知らせでご確認ください。令和8年の例大祭は7月18日と案内されていました(公式サイトの2026-05-25の投稿)

詳しい由緒と出典は /places/08/

ひと休み

茶屋かど(休憩所)

鎌倉市山ノ内1518。第六天社の近く。鎌倉市観光協会は「北鎌倉駅より徒歩12分」と案内。駐車場なし。定休日は不定休なので、行く前に店の案内でご確認ください

営業 10:00〜16:30(L.O.16:30)/休 不定休

次の旅へ

晴明公ゆかりの地は、ほかの地域にも残っています。生誕地の伝承は茨城県に、晴明公を祀る社の中心は京都にあります。ほかの地域のガイドは、地域から探すページにまとめています。

参拝の実用情報

地点時間料金アクセス駐車場
八雲神社参拝の時間は、公式に記載を確認できていません。社務所・御朱印・トイレも、公式の記載を確認できていません—JR横須賀線「北鎌倉」駅から約500m・徒歩約8分(地図の徒歩ルートの目安。公式の記載なし)。鳥居は駅の改札と線路を挟んだ反対側(大船寄り)の山裾にあり、石段を上る公式に記載を確認できていません。民間の情報では「なし」
安倍晴明大神の石碑道路脇の石碑。見学の時間は、公的資料に記載を確認できていません—JR横須賀線「北鎌倉」駅から建長寺方面へ約450m・徒歩約7分(地図の徒歩ルートの目安。公式の記載なし)石碑のための駐車場は、公的資料に記載を確認できていません
第六天社境内は通常非公開。特定の日以外は、管理人も宮司もいません(公式サイト)—JR横須賀線「北鎌倉」駅から八幡宮方面へ徒歩10分(公式サイト。地図の徒歩ルートでは約900m・約12分)。建長寺の門の手前80m・進行方向右側(公式サイト。地図では、総門まで約170m)公式に記載を確認できていません

時間・料金は変更されることがあります。各地点ページの出典(公式サイト)でご確認ください。

クレジット・出典

調査・執筆:星詣編集部(土御門奉賛会)。一次資料と各社寺・自治体の公式資料に基づく。現地確認日:なし。晴明公の宅の場所は、『吾妻鏡』に書かれておらず、明らかではない。八雲神社の晴明石と、石碑について、市・観光協会の公式な紹介は確認できていない。八雲神社の由緒は、資料によって違うため、並べて記している。

最終確認:2026-10-11

写真:PIXTA(作者:jooko3(114466412)、takuwan(143391760)、skyyokohma(105143644)、ackey(50008847)、ぽてぷ(116026130)、skyyokohma(126193290)、gandhi(64425718)、ビンゴ(126939143))